長らく、日本の会社は、60歳が定年でした。
これは、実は理にかなっていて、
平均的な人間であれば、
だいたい60歳ごろに、
体力的な限界が来るのです。
ここで言う限界とは、
仕事を、そつなくこなせる体力、という意味。
で、長らく60歳定年が機能していて、
高度経済成長期の日本においては、
退職金をたっぷりもらって、
あとは年金生活、が、
スタンダードでした。
ところが、失われた10年と言われ、
それが、給料が上がらない30年となり、
今や、一億総活躍を謳わねばならぬほどの状態。
60歳くらいで辞められては、
税金も細るしということで、
今は、65歳定年に、と。
若い人から見れば、
そんな爺になるまで働かされるのかと、
暗澹とした気持ちになり、
FIREしようぜ、
という気持ちになるのも、郁子なるかな。
僕の場合は、
ちょうど気力体力が落ちてきたころの57歳に、
介護離職となりましたが、
今思うと、
まさにタイムリーでした。
それほど、
24時間勤務に、
疲れが出始めていたのです。
で、何が言いたいのかというと、
平均的な人間は、
やっぱり60歳くらいで仕事を辞めるのが、
最適解なんじゃね、ということ。
勿論、自分の才覚で、
早期リタイアできる人は、
それに越したことは、ありません。
そういう人は、
この季節であれば、
彼岸花などを愛でながら、
午後の珈琲を味わう時間もあります。
ただ、みんながみんな、、
早期リタイアできるわけでもなく、
何とか重い体を引き摺りながら、
60歳になってもまだ先は遠く、
65歳の定年を目指す、と。
僕は、この60歳から65歳までが、
何気に、きつい時期だと、思っています。
だって、体力は落ちているのに、
年金はまだ先なのですよ。
それも、うんと先ではなく、
5年という、生殺しに近い感じの年数。
体がきついからと60歳で辞めてしまえば、
年金受給までの5年の生活費が、
重くのしかかります。
政府が、
年金を5年も先延ばしにしたことが、
これから定年間近だという人には、
じんわりと、
効いてくるのでは、
ないでしょうか。