世の中には様々な悲劇がありますが、バブル絶頂期に家を買ってしまった人たちの悲劇は、痛々しいものがあります。

91年のドラマ『それでも家を買いました』の山村夫妻などは、その典型ですね。

「都心まで遠いニュータウンの中の中古団地を買う。駅からはもちろんバス便。購入価格は当時で5200万円。4200万円で30年ローン」

これが、ドラマ内での、山村夫妻の状況です。ドラマ、とりわけ、トレンディドラマというのは、その時代を映す鏡です。

当時は、中古団地を5200万円で買えたことは、勝ち組でした。

しかしその後のバブル崩壊で、見事なまでの不良資産です。三上博史さん演じる、サラリーマンの夫は、往復3時間超の通勤に耐え、その後、4200万円もの住宅ローンを払うことができたのでしょうか。

もし、子供がいれば、妻役は、田中美佐子さんで、美人ですから、子供も二人や3人、できたでしょう。とすると、住宅ローンに加えて、教育費です。

もう、三上博史さんもヘロヘロでしょう。下手したらリストラで、給料激減、家も手放し、家庭崩壊、なんてこともあるかもしれません。

これはドラマですが、日本中で、高い住宅ローンを背負いきれずにつぶれた家族は数多いでしょう。

株で言えば、とんでもない高値掴み、ということになります。株ならば損切りできますが、マイホームの損切は、痛手が大きすぎます。

僕の場合、ずっと低収入だったために、バブルの恩恵はほとんど受けなかった代わりに、バブルの痛手も皆無でした。

人生、何が幸いするかわかりません。