3年前に、家を建て替えたとき、父はまだ病院にいました。そのときも胃瘻による栄養注入を行っていましたが、同時に、口から食べる訓練もしていました。

 3年前の6月、バリアフリー化をして新しく建て直した家に、まず、母と僕が、借家の仮住まいから、引っ越してきました。その6月に、住宅ローンの1回目の引き落としがありました。そして、今月末、5月の引き落としで、丸3年が経ったことになります。

 3年前も50を過ぎていましたから、長期のローンは組めません。15年の変動ローンを組みました。金利は、0.775。

 その時点では、マンションを売却していましたが、それまで払っていたマンションのローンに比べれば、格段に借りやすい金利です。そのおかげで、利息は低く抑えられています。だから今まで、滞納もありませんでした。普通に仕事をしていれば、支払える金額でした。

 しかし、今は無職で、早期リタイアの身です。失業保険が打ち切られるまで、2か月を切りました。

 いただいた退職金の中から、約半年分の金額の住宅ローンを、すでに銀行の口座に入れました。だから、半年間は、住宅ローンが払えない、という事態に陥ることはありません。しかしそのあとは、未知数です。不安は、あります。

 それでも、家を建て替えることができたおかげで、その年の8月に退院してきた父が、9月には、胃瘻を除去することができ、つまり、再び、口から物が食べられるようになり、再び入院することになった去年の7月までのおよそ、2年間、僕は仕事と介護を両立しながら、数か月に1度くらいは、両親を連れて、旅行にも行くことができました。

 そして再び入院し、再び胃瘻をつけて戻ってきた父の状況は、以前退院して戻ってきた時よりも、重篤なものでしたが、またこの家で過ごせることを喜んでいました。そして今も、酸素吸引をしながら、寝ています。

 あと、12年。
 何とか踏ん張って、住宅ローンを返済していきます。