介護離職をして、もうすぐ1年になります。介護離職するまで働いていた会社はビジネスホテルで、ローテイション勤務でしたから、元旦から仕事などということもありました。

そのため、通常の会社勤めのように、年末年始の休暇というものはなく、お正月気分を感じることは少ない環境でした。今は、介護離職しているため、さらに、そうした気分から遠くなり、淡々と日常が過ぎていきます。

年末、二つの会社に職を求めましたが、結果から言うと、仕事には結び付きませんでした。一つは面接で、体よく断られ、もう一つは電話した時点でアウトでした。

友人の花火師で投資家のSさんからも、仕事の紹介をもらいましたが、日程が合わず、その話もお断りしました。

僕の場合、母の介助が優先となります。要介護度5だった父に比べれば、介護というほどの世話は必要ありませんが、介助は必要です。そのため、週に1日、多くても週に二日の仕事がいっぱいいっぱいです。

母と話し合い、介助を優先することになりました。お金は何とかなる、という根拠のない自信が母にはあります。まあ、その点は僕も同じです。

ネットを見ていたら、とても気になる記事を目にしました。

 1日午後10時25分ごろ、東京都港区新橋の路上で、風俗店案内所従業員の男性(54)が、2人組の男とトラブルになり、胸ぐらをつかまれた後に意識を失い、搬送先の病院で死亡した事件で、警視庁は2日、愛宕署に自首してきた2人のうち江東区に住む会社員の男(31)を暴行容疑で逮捕した。 同署によると、2人は案内所近くのゴミ箱を蹴ったと男性に注意され、トラブルになった。男性は心臓に持病があったといい、同署は詳しい死因を調べている。(ニュース記事より)

死んだ男性は気の毒としか言いようがありませんが、僕が同情したのは殺したとされる31歳の会社員男性です。ことの詳細はわかりませんが、胸ぐらをつかんだだけだとしたら、そのくらいのことはよくとは言いませんが、あります。

僕も結構短気なほうで、電車の中で喧嘩したこともあります。まあ、傷害事件にはなりませんでしたが、そうした危険はありました。

新橋は、サラリーマンの街です。飲み屋もたくさんあります。酒を飲み、ごみ箱を蹴るくらいのことはあります。そこで注意され、反射的に胸ぐらをつかむこともあり得ます。胸ぐらをつかんだ相手が、心臓病であったために、ショック死したのだとしたら、不謹慎かもしれませんが、僕は、逮捕された31歳の会社員のほうに同情します。

そうとうな暴行を受けてもしぶとく死なない人間もいれば、ちょっとしたことで簡単に死んでしまう人間もいます。ウサギなどは絶えずびくびくしているため、大声を聴いただけでショック死することもあると聞いたこともあります。

僕は、そうびくびくしている人間ではありませんが、加齢とともに、いろいろな免疫が落ちているのか、悲惨な話のドラマや映画は、ストレスを感じて見ることができません。

たとえ胸ぐらをつかんだだけだとしても、暴行には違いありません。それで相手が死んでしまったのですから、暴行致死ということになります。

人生とはなんと不条理なのでしょう。殺したほうの31歳も不運でしたが、殺されたほうの54歳も不運でした。

年齢的には、僕は殺されたほうの方に近いのですが、どうしても31歳のほうに同情してしまうのですね。酒を飲んで小競り合いなんて、たいていの男が経験しているでしょう。詳細がわからずここまで言及していいのかわかりませんが、31歳のほうに、奥さんやまだ小さい子供でもいたら、さらに悲しみは広がります。

これを他山の石とせず、誰にでも目も前に不条理が転がっていることを肝に銘じるべきだと思いました。