「41歳、3900万円の住宅ローンを組み完済は76歳です」という記事を読みました。

相談内容は、「 昨年、子どもが生まれ手狭になり、マンションを購入しました。夫婦とも40代のため、教育費や老後資金が不安です」というものでした。

夫婦は共働きで、手取りで51万円の収入があります。住宅ローンの内訳は、 物件価格4450万円、諸費用200万円、頭金750万円、フラット35/35年返済、毎月の支払額13万円、ボーナス併用はなし、というものです。以下が生活費と貯蓄の内訳です。

「しばふ」さんの家計収支データ
これに対し、業界歴26年目のベテランFPがアドバイスをしています。以下が、そのアドバイスの一部です。

「ポイントは、完済時期がご主人76歳という点。少なくとも65歳までに短縮したいところです。ご夫婦ともに何歳まで働かれるかはわかりませんが、仮に65歳までとすれば、それ以降の収入は公的年金だけとなります。2人とも厚生年金加入ですから、このまま定年まで会社員を継続できれば、それなりの額の老齢年金(夫婦合算で額面25万~30万円)を手にしますが、それでも、その後12年間毎月13万円のローン負担は決して軽くはありません。」

このアドバイスにもあるように、現役時代であれば何とかなっていた生活も、定年後の毎月13万円のローン負担は厳しいものがあります。

実は僕も、マンションを購入したのが40歳のときで、完済は75歳でした。繰り上げ返済を2度しましたが、それでも厳しいと感じていました。

父の介護で、マンションは売却し、実家を建て直しましたが、一戸建ての今のローンのほうが、マンションのときよりも安く、金利も有利です。それでも、完済は、69歳なので、年金受給の65歳までには、支払いを終えるために、繰り上げ返済はしなければならないと思っています。

上記の相談者は、なまじ高給を得ているがゆえに、脇の甘い生活になってしまったのかもしれません。

無論、独身者と、子供のいる世帯を同じ土俵で比べることはできません。ただ、41歳で、3900万円の住宅ローンを組み完済は76歳というのは、あまりにも無謀です。

株は怖い、投資は怖いという人がいますが、無謀な住宅ローンのほうがよっぽど怖いと、僕は思っています。