押しなべて、すべての人間は、未熟です。
その未熟な人間が、長らく絶対的な地位にいると、
一人の例外もなく、裸の王様になっていきます。
なぜ、裸の王様になるか。
自分の周りに、意見を言ってくれる人がいなくなるからです。
なぜ、いなくなるのか。
独裁者であれ、カルト教祖であれ、
その地位が絶対的なものになればなるほど、
周りの人間は、彼の言動に矛盾を感じながらも、
唯々諾々と従うようになってくるからです。
なぜ、そうなるのか。
意識的に、あるいは無意識のうちに、
独裁者やカルト教祖の機嫌を損ねたくないという気持ちが、
働くようになるからです。
こんな報告をしたら、機嫌を損ねるのではないかと危惧し、
言いたいことはオブラートで包み、
その絶対者の耳に心地よいことばかりを報告するようになる、と。
カルト教祖はその宗教団体、
あるいはそれ未満の小さなコミュニティであっても、
その組織内では絶対者で、神に等しい存在。
そしてプーチンのような独裁者は、
ロシアにおいては絶対者であり、
その集団が国家であるために、
さらにその被害は甚大となります。
で、その独裁者とカルト教祖の共通点は、
人間をモノのように扱う、ということ。
プーチンを見ていれば、説明の必要はないと思いますが、
カルト教祖であれば、自分を神の位置に置き、
言うことを聴かなければ人類を10億人単位で減らすような発言をする、と。
信仰のない(服従しない)人間は、人間ではない、と。
そんな輩は粛清の対象である、と。
カルト教祖には、プーチンのような実態的武力はありませんが、
言葉の暴力を振るいます。
一般の人には全く無力な言葉も、
カルト信者にとっては身の竦む言葉。
人間をモノのように扱う、という共通点に重複しますが、
脅しによって人を動かそうとする点も、同じ。
カルト教祖の脅しは、武力ではなく、
死後の霊界での行先であったり、
天変地異の予言であったり、
心の中に植え付ける恐怖ではありますが、
妄信する信者への効き目は絶大。
それ以外の共通点は、敵対する者に対する異常なまでの憎悪。
これは、常軌を逸した執拗さで相手を叩きます。
大人の目から見れば、その執拗さは子供じみています。
他の共通点を上げるとすると、知能が高い点。
独裁者が務まる人間は押しなべて頭がいいし、
その点は、カルト教祖も一緒。
ただ、ここで言う頭の良さとは、
頭の回転の速さだったり、驚くべき知識量だったりということで、
人間的に賢い、ということでは、ありません。
それ以外の共通点としては、本人は無自覚なことが多いのですが、
その心の中は疑心暗鬼と恐怖心が渦巻いている点。
それと、友人がいない点、でしょうか。
絶対者になればなるほど、他人が信じられなくなっていきます。
しかしそれは、すべて、自分が蒔いた種。
自分が蒔いた種は、自分が、刈り取らねばなりません。