冬枯れの風景は、若い頃から割と好きでした。最初に行った外国がイギリスだったのも、冬枯れの風景が導いたとも言えます。

北イングランドのハワースは、「嵐が丘」の舞台です。高校時代に読んだエミリー・ブロンテの小説が、未だに自分の中ではベストワンで、まあ僕自身、そう多く小説を読むわけではありませんが、あれを超えるものには出会っていません。

荒涼とした北イングランドの原野。それは、やはり晩秋か冬に行かなければ、見ることはできないのかもしれません。

僕が行ったのは夏だったので、荒涼とした原野の気配はあるものの、ヘザーという花が咲いていたので、冬枯れとは程遠いものでした。もう25年も前の話です。

つまり、イギリスには25年も行っていないのですが、ここ、日本で、僕は冬枯れの風景を楽しんでいます。

今日は曇天。雲を透かして、太陽が少し見えることもありますが、寒々とした風景です。

僕の家の2階からは、原野ではありませんが空き地が見え、木々なども見えます。その風景を眺めながら物思いにふけるだけで、静かに時間が流れていきます。

遠くに行かなくても、ここに幸せがあります。