疲れ切っている男から、
金を毟り取る女がいます。
自分だけは大丈夫、
と思わずにいたほうがいいかも。
それというのも、
この種の亜流は、

どの分野にも、
ありますからね。
まずは、
長いですが、
以下が概要です。
SPAからの一部抜粋。
渡辺容疑者は「頂き女子りり」の名前でSNSやユーチューブでも活動。これまでにパパ活で3億円騙し取ったと豪語し、『りりちゃん魔法完全攻略マニュアル』『頂き女子の参考書~お金を頂くための設定と極秘会話術~』『1カ月1000万頂く頂き女子りりちゃんのみんなを稼がせるマニュアル』という詐欺マニュアルの電子データを販売。これを2冊2万8000円で購入した信奉者の1人が名古屋市中区の女子大生・家田美空被告(20)だった。家田被告は2人の男性から計1062万円を騙し取り、「うまくいきました」と渡辺容疑者にDMで報告していた。渡辺容疑者も家田被告に電話でアドバイスしていたという。家田被告はスマホを2台使い、1人2役で別々の人間を演じ、ターゲットにした男性には「村上かな」と名乗って近づいていた。愛知県知立市の会社員の男性(43)はマッチングアプリで「村上かな」と知り合い、同居をほのめかされるなどして、恋愛感情を抱いた。すると、「村上かな」から「同居している友人に家賃を3カ月分滞納しているのを肩代わりしてもらっている。これを支払わないと同居できない」などと言って、21万円を振り込ませた。このときは友人の名前として、本名の家田美空名義の口座を振込先に指定していた。 さらに「大学の入学金を家田に借りている。70万円を返さないと、同居できない」とウソをつき、70万円を騙し取った。被害者が疑わないことをいいことに、「私が家田の保証人になっており、180万円返さなければならなくなった。AVに出ないと返せない」と泣きつき、その金も騙し取った。その後、本名の家田美空の名前で「責任を感じたかながAVの契約書にサインしてしまった」などとウソのメッセージを送り、動揺している被害者に対し、再び「村上かな」に戻って、「違約金を払う方向で考えています。300万円あれば助かる」などとLINEし、その金を騙し取った。ここらが潮時と考えた家田被告は、「かなが拉致された」というメッセージを送り、それっきり連絡しなくなった。家田被告に騙された被害者はもう1人いる。名古屋市守山区の自営業の男性(63)は、マッチングアプリで「村上かな」と名乗る家田被告と知り合い、まったく同じ手口で「マンションの家賃を滞納しているから、同居ができない」と持ちかけられ、21万円を騙し取られた。さらに「風俗スカウトマンに170万円借金している」という作り話をして、行きつけのホストクラブに勤務している岡島弘樹被告(25)に協力を要請し、風俗スカウトマンに成りすました岡島被告が男性から170万円を騙し取った。 最終的に家田被告が持ちかけたのは「風俗店で働く契約書にサインしてしまった。違約金300万円を支払わなければ、風俗で働くことになる。だから同居はできない」と言って、男性に300万円を用意させ、地下鉄矢場町駅で受け取ったというものだ。家田被告はこの男性に対しても「かなが拉致された」と言ってフェイドアウトし、村上かなと家田美空の身を案じた男性が警察に相談して事件が発覚。奇しくも2人の被害者が同じ時期に同じ内容で相談に訪れたのだ。家田被告と岡島被告は詐欺容疑で逮捕された。家田被告の自宅を家宅捜索した結果、渡辺容疑者の作った詐欺マニュアルが発見された。警察は少なくとも数十人が渡辺容疑者の詐欺マニュアルを購入していたとみて、余罪を調べている。渡辺容疑者はターゲットにする男性を年齢に関係なく、「おぢ」と呼び、ユーチューブの中で「おぢ」の特徴を次のように語っている。「頂けるおぢの特徴は、生きる希望がない、生きがいがないような、毎日仕事して、帰って寝て、毎日帰って仕事して寝て、何で生きてるんだろうな、生きる意味を見出せてないようなおじさん。こうしたおぢに近づき、日常会話と色恋会話という2種類の会話を使い分け、おぢとの距離を詰めていく。色恋会話っていうのは、『好きだよ、結婚しよう』という会話じゃなくて、『おぢと話してると落ち着くなー』とか、直接好きとか伝えないけど、『オレって特別なんだ』と思わせるような会話がいい」
うーん、 特別感を与えて操る手口は、
巷にも、
あふれていますよね。
たとえば、今だけ限定、とか、
このメールを受け取ったあなただけに、とか、
特別感や希少性、期間限定、といったものに、
人は割合簡単に、乗せられていきます。
これがたとえば、
大きな買い物である住宅などだったら、
被害は甚大。
話をこの詐欺女に戻すと、
この渡辺容疑者は男をカモにしただけではなく、
マニュアル本を作って、
つまり情報商材まで売りさばき、
さらには自分の信者を作ってコーチングまでし、
まさに詐欺師の典型。
自分自身の詐欺行為で男から金を巻き上げただけでなく、
それを商材化して売り捌き、
さらには自分に心酔する信者まで創り出すという、
三重に手の込んだ、
しかも、
その経済合理的な思考は起業家の素質すらあります。
年ばかり重ねていても、
既定路線でしか歩いてこなかった中年男など、
簡単に手玉に取ることができますが、
その才能ゆえに、
より大きな視点から見れば、
最も割に合わない人生とも言えます。
だって、
天網恢恢疎にして漏らさず、ですから。
この詐欺女の一件を、
他山の石とすることなく、
自らもまた、
戒めていきたいと、
思います。
マネーリテラシーを磨くだけでなく、
行動経済学についての教養も、
今の時代は必要ですね。