僕が初めて外国に行ったのは、1992年で、もう、ずいぶん前のことになります。

 少しだけ、ホームステイをし、あとは旅をしていました。

 ちょうど、バルセロナオリンピックの年で、エイズで死んだフレディ・マーキュリーが、バルセロオナアーと、ホームステイ先の家のテレビの画面で叫んでいたのを思い出します。

 チチェスターという小さな町にホームステイし、その後は、イギリス中を旅してまわりました。

 イギリス行きの、大きな目的の一つが、ハワースに行くことでした。

 ハワースは、北イングランドの小さな町です。

 そこが、小説、「嵐が丘」の舞台になったところです。

 僕が、最も感銘を受けた小説が、嵐が丘であり、曲がりなりにも、英語を勉強し続けているのも、もう一度、あの荒涼とした原野に行きたいという、思いがあるからなのかもしれません。

 1992年に、僕がハワースに行ったときは、夏でした。ヘザーというブルーの花が咲き乱れていました。

 しかし、今度行くときは、冬に行きたいと思っています。
 冬に行ってこその、嵐が丘でしょう。

 思いは、必ず、実現すると言います。

 僕はきっと、もう一度、ハワースに行きます。イギリス人が、biting wind と呼ぶ、身を切るような寒風を押しのけて、僕はあの原野を、もう一度、歩いてみたいのです。