安倍さんロスの痛手は、未だ多くの人の心に、

多大なる苦しみと悲しみを与えたままです。

僕も、その一人です。

悲しんでばかりもいられず、

また、食べていかねばならないため、

先週の21日に、3つ目になるアルバイトをスタート。


しかし、その初日に熱中症になり、

3日間も寝込むことに。

ブログを書くどころでは、ありませんでした。


そして、日曜日頃には回復してきたので、

アルバイト先に電話し、一日でやめることを告げました。


なので、3つ目のアルバイトの話は、消えました。


本当はそうしたことを綴るのが、

このブログの趣旨なのですが、

今は、このカルトの問題を放置しておけず、

統一教会をはじめとしたカルトの話題が続きますが、

ご理解ください。


僕自身が、統一教会の食口(シック)として、

専従生活を送ったのはわずか2年間ですが、

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その2年間の息苦しさ、閉塞感、兄弟姉妹たちとの心情的高まり、使命感に生きる生活、自己矛盾、自家撞着、などなど、その凝縮があって、その後の廃人生活、塗炭の苦しみ、闇の中の呻吟、そして、そこからの解放、へとつながっています。


カルト信者の思考を理解する手助けとして、

バーンズが取り上げている、10のパターンは参考になるかと思います。


もし、不幸にして、家族の誰かがカルト教団に絡め取られた場合、

その洗脳を解く手助けになると思います。 

以下が、その10のパターン。


1. 全か無か思考 all-or-nothing thinking

物事を極端に白黒つけたがり、オール・オア・ナッシング、○×思考で考えることです。

たとえば、就職試験に落ちたときに「社会人としての価値がない」と考えたり、何かの失敗をしたときに「次に失敗したら、もう終わりだ」と考えたりするような、完璧主義的な発想です

2. 一般化のしすぎ overgeneralization

何か悪いことが起こったときに、それがまた起こるに違いない、それが起こる運命なのだ、というように一般化して捉えてしまうことです。

3. 心のフィルター mental filter

考えることがネガティブなことばかりで、「マイナス」のフィルターを通して物事を見ていることです。

たとえば、ニュースの事件を見るたびに「世の中、どんどん悪い方向に向かっている。もうこんな世の中、誰も信じられない」「もう日本の経済はダメだ」というように、悪い方向にばかり受け取ってしまう状態です。


4. マイナス化思考 disqualifying the positive

良いことや何でもないことを、悪いことにすり替えてしまうことです。


5. 結論の飛躍 jumping to conclusions

事実とは違うのに、悲観的な結論に飛躍してしまうことです。これには、次の2種類があるとバーンズは述べています。

A 心の読みすぎ mind reading

人の態度や言葉を、悪い方に深読みしてしまうことです。

たとえば「今日のファッション似合ってるわね」と褒められているのに、「口では褒めてるけど、内心馬鹿にしてるんだろう」「お世辞を言ってるな。何かの魂胆があるに違いない」と悪い風に捉えてしまうことです。

B 先読みの誤り the fortune teller error

これから起こることが不幸なことばかりだと信じ込んでしまうことです。



6.拡大解釈と過小評価 magnification and minimization

悪い面ばかり大きく捉え、良い面をあまり評価しないことです。



7.感情的決めつけ emotional reasoning

感じていることが、真実であるように考えてしまうことです。

たとえば、「みんなに無視されているように感じる。やっぱり私は嫌われているんだ」「いつも悪い風にばかり考えてしまうのは、性格が悪いからだ」というように、感じたことがそのまま真実とイコールであるように考える場合がそうです。


8.すべき思考 should statements

「~しなければならない」「~べきである」と考えて、追い込んでしまうことです



9.レッテル貼り labeling and mislabeling

根拠もないのに、ネガティブなレッテルを貼ってしまうこと

たとえば、1つの失敗をしただけなのに「あいつは無能人間だ」と決め付けたり、なかなか結婚相手が見つからない自分に対し、「私は『負け犬』だ」と悪いレッテルを貼ってしまうようなこと



10.個人化 personalization

良くない出来事が起こったときに、何でも自分のせいにしてしまうことです


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バーンズは、認知の歪みについて述べているだけで、

とりわけカルト宗教をターゲットにしているわけではありません。

それでも何故か、見事に、この認知の歪みが、

カルト宗教の信者に当てはまってしまうのです。


やたらと自分の教団の正しさを主張するところは、特に危険です。

自分たちの正しさを強化するには、強烈な敵が、必要だからです。

敵が強力であればあるほど、信者は危機感を持つし、真剣にもなりますからね。


敵役として多用されているのが、サタン。

サタンは、キリスト教的概念ですが、

単に、魔、という言葉を使う教団もあります。

あるいは、敵も宇宙的広がりを見せ、悪質宇宙人、などの異星人や、

宇宙的悪魔が登場する場合もあります。


いずれにせよ、敵が強大であればあるほど、緊張感が増すし、

無意識のうちに自分たちの偉大さも感じられますからね。


これは、無自覚であるほど、顕著です。

そもそも、カルト教団に嵌まっている時点で、

自覚的ではないわけですからね。


上記10のパターンすべてを解説していくと膨大な量になるので、

顕著な例として、一つだけ、取り上げます。

これは、僕自身もそうだったので。


7.感情的決めつけ emotional reasoning

感じていることが、真実であるように考えてしまうこと


僕は、かなり霊的に感じるタイプだったので、

まさに、感性で信じ、実感して確信を持つパターンが多かったのです。

事実、多くの信者に、この傾向がみられました。

自分の感覚を信じて疑わないタイプで、

女性信者に多いのですが、男性信者にも散見できます。

このタイプが厄介なのは、

本人が実感を伴って確信しているので、

どれほど、事実を突きつけても、

まともに見ようとはしません。


自分の見たいものしか見ない、典型例。


センサーが、自分に心地良い、

自分の信仰生活に都合の良い情報だけを、

自動的に選び取っているので、

何を言っても無駄、です。


この、感性タイプの信者は、

自分に都合の良い信仰生活を生きているので、

小さなお花畑の中で、自己充足していると言えます。


で、教団の目指す理想世界、ユートピアが、実現することはありません。

つまり、信者は、実現することのない幻を目指して、

自分の時間とお金を捧げる、と。


そして、年だけは、確実に取っていきます。


今、多くのカルト教団で、信者の高齢化が問題になっていますが、

二世信者というのは、親の信仰を引き継ぐ割合が少ないのです。


やがて、カリスマ性のあった初代教祖がなくなると、

大半の教団は、分裂します。


それは、誰が後を継ぐにせよ、

初代ほどのカリスマ性はなく、

一方で、宗教法人は無税なので、

その集めた巨額の金をめぐって争いも起こるからです。

権力欲、金銭欲、支配欲は、教祖とその家族だけでなく、幹部連中にも浸透していますから、中心的カリスマ亡き後の分裂は、自然の流れ。


シルバーバーチが、すべての宗教組織は清らかさがない、と断罪している所以です。


組織が、人を救うのでは、ありません。

あなたの心が、

あなたを救うのです。