今、COP25が、スペインのマドリードで、開催されていますが、日本は、不名誉な化石賞を、受賞したようですね。

さて、地球温暖化対策を求めて、一人で座り込みの抗議を始めたグレタさん。

やむにやまれぬ思いに突き動かされて始めた行動ですが、この汚濁にまみれた3次元世界で、何かを成そうとすると、さまざまな困難に見舞われます。

また、彼女の思いは純粋だとしても、その彼女を利用して自団体の主張に結びつけようとするものが現れたり、彼女の行動そのものを邪推する者もあらわれます。

信念を持って、事を行い、貫く者は、他人からの批判や誤解は怖れませんが、彼女が影響力を持てば持つほど、さまざまな団体や個人までもが、その影響力に群がろうとします。

こうしたことは、あらゆる場所で起こっており、ダライ・ラマと一緒に写った写真を、自分の本の中表紙に差し込んで権威付けを行った麻原などは、そのいい例。

桜を見る会も、ジャパンライフという悪徳会社が、信用度を増すために、利用したように、悪いことを考えている人間は、どんな権威や影響力も、自分の利益のために利用しようとします。


グレタさんのことや、その周囲に群がる人たちのことも、僕は深く知る立場にはありませんが、彼女の発心、は、純粋なものであり、やむにやまれぬ、切実なものであったであろうことは推測できます。

そのような発心、情熱が、世の中を変えてきた歴史があります。


さて、今日は、少し、スピリチュアルな話になりますが、いつもは、交霊会で、質問されてそれに答える立場のシルバーバーチのほうから、参加者に質問する、ということがありました。以下が、その内容。


ある日の交霊会でシルバーバーチの方から一連の質問をしたことがある。

 最初の質問は 「皆さんはこれまでの人生に最善を尽くしたと思われますか」 というものだった。

 これに対してメンバーの一人が 「誰ひとりそう断言できる者はいないと思います」 と答えると、シルバーバーチは別のメンバーに対して 「あなたはどういう点がいけなかったとお考えですか」 と聞いた。

すると 「毎日、毎時間、数えきれないほどです。こうするのが自分の責務だと思っていながら全力を投じていないからです。これが正直な答えです。私にとっての〝赦し難き罪〟です」 と答えた。

もう一人のメンバーも 「かくあるべきということに四六時中最善を尽くしている者はいないというのが正直なところだと思います」 と言い、さらにもう一人も 「もしそれが出来たらわれわれは恐るべき人間ですよ」 と答えた。

 シルバーバーチの次の質問は 「今お持ちの知識を携えてもう一度人生を初めからやり直すことができたら、もっと立派なことができたはずだと思われますか」 というものだった。

 これに対して一人は 「ええ、むろんです」 と答え、もう一人は 「私はそうは思いません。早くからこうしたことを知っておりましたから、それは私にとって言い訳にはなりません」 と答えた。すると最初に答えたメンバーがその人に 「少なくとも人生を歩む上での方向感覚を与えることにはなっていたでしょう」 と述べた。

 一方、かつてメソジスト派の牧師だったメンバーは「私の場合は、もし早くから知っていたらメソジスト派への改宗を説くことだけはしなかったろうと思われます」 と答えた。
 
 別のメンバーは「とにかく私は怠慢でした」とだけ答え、もう一人は「私は知らずにいたことを永い間悔やんでおります。早くから知っていたら大変な違いが生じていたはずだと思うからです」と答えた。そして最後の答えは「多くの好機を無駄にしてきました」というものだった。


 こうした答えを聞いてシルバーバーチは次のように語った。

 「私は皆さんのお答えのいずれにも賛成しかねます。霊的な視点で見ておられないからです。一人の方はもし早くから知っていたらメソジスト派の教えを説いて永い年月をムダにすることは無かったとおっしゃいましたが、私に言わせれば、むしろ荒野に叫んだ時期が無かったら、その方の存在は今ほど大きくなかったろうと思われます。

真理探求に没頭した年月───追求してはつまづき、倒れては起き上がり、間違いを犯しながら遂にそれまでの信仰が真実とは似て非なるものであることを思い知らされることになった───そうした体験がその人の魂の発達の掛けがえのない要素となっているのです。

行く手に転がる石ころを一つ一つ取り除いてもらい、困難は生じる前に簡単に片づけられ、いかなる障害が地平線に浮かんでも、まるで魔法のように消されてしまうような人生を送っていては、未発達で、何の試練も体験しない、幼稚な霊をこしらえることにしかなりません」

 すると当の本人が「でも、私が説いた(誤った)教えを聞いた人たちはどうなるのでしょうか」と聞いた。
 「あなたがその人たちに及ぼした(悪い)影響を必要以上に誇張してお考えになってはいけません。その人たちはその人たちなりに、そうした誤りを通して学んでいかねばならないのです。葛藤と困難、苦悩と障害は霊性の開発にとって必須の要素なのです。

たとえあなたが霊的知識(スピリチュアリズム)を早くから知っていたとしても、相変わらず葛藤は葛藤として続いていたことでしょう。ただ、私がもっと早く、困難への対処の仕方を教えてあげておれば良かったということは言えましょう」

 次に“私は怠慢でした”、と答えた人にシルバーバーチはこう述べた。

 「あなたはご自分が怠慢だったと考えておられる。それはあながち間違っているとは言えませんが、あなたはもう大いにその埋め合わせをしておられます。ご自分では気づいていなくても、立派な貢献をしておられます。ご自分では小さく見くびっておられますが、その判断は公平を欠いております」

 “知らずにいたことを悔やんでいる”と答えた人に対しては「償いをすることによって却ってその有難さを知ることになることもあるものです」と答え、“早くから知っていたので今さら言い訳はしない”と答えた人に対しては 「あなたはずっと正しい指導を受けてこられました。

ほぼ物心がついた頃から今日までずっと霊的な糸で結ばれております。(全員に向かって)人生は釣合い、照合、再照合、そして埋め合わせといったことの繰り返しであることを認識して下さい。

皆さんはそれぞれの生活にとっぷりと浸っておられるために、これまでご自分がどれほど立派な貢献をしてきたか、そして今どんな貢献をしているかがお判りになりません。視野がぼやけております。天秤を水平に持つことができないのです。

しかし大切なことは、知識がすべてに優先するということです。ですから、霊的知識の普及にできるかぎりの努力をしなければなりません。私がこの仕事を依頼されて地上をいかなる世界にすべきかという未来像を画いた時に、何よりも優先させねばならないと考えたのもそのことでした」



こののち、シルバーバーチは、また違う質問をすることになるが、長くなるので、引用はここまでにします。

葛藤と困難、苦悩と障害は霊性の開発にとって必須の要素であると、シルバーバーチは言います。

今、苦難の中にある人も、その苦難困難は、無駄ではないはず。

人は人生の途上で、さまざまな紆余曲折や回り道も歩きますが、そのすべてが、無駄ではなく、それがあってこその、今、であると。


最近、引きこもって内省したい思いが強くなっている僕自身も、また新たな人生の転換点に、立っているのかもしれません。