去る者は日日に疎し、という言葉があります。

死んだ人のことは、次第に忘れていく、ということでもありますし、生きている者でも、交流の機会が減れば、次第にその関係は希薄なものになっていきます。

思えば、この宇宙の星々も、ものすごい勢いで遠ざかっているわけで、一切のものが遠ざかっているのかもしれません。

人は、どんなに有名な人でも、やがて忘れ去られていきます。ましてや凡夫であればなおのこと、そんな人いたっけ? みたいになっていきます。

仏陀やイエスのように、歴史の風雪に耐えて記憶されている人たちでさえ、その存在は記憶されていても、本来の彼らの教えは亡骸のようになり、彼らがもし生きていたならば、おいおいそれは違うだろう、と言うでしょうね。

自分の考えに固執する人であれば、自分の教えなり考え方を違った形で解釈されるのはとても残念でしょう。

ただ、仏陀もイエスも、さっぱりとした性格の人だと思うので、そのことで苦しみを作ることはないと思います。

誰であっても、すべての人は忘れ去られ、忘却の彼方へと消えていきます。

こういう話をすると、気が楽になる人もいれば、虚しくなる人もいます。

何が正解かは僕にはわかりませんし、そもそも正解などというモノがあるのかないのかもわかりません。

ただ、諸々の事象は過ぎ去っていきます。

どうやらそれだけは、真実のようです。