管理職は65歳、一般社員は60歳、というのが、僕が働いていた会社の、定年年齢でした。僕は平社員だったので、当然、60歳定年ということになります。

 介護離職による早期リタイアで、定年まで数年を残してはいましたが、やめる前の1年間は、だいぶ仕事のモチベーションも落ち、小さなミスを引き起こすようになっていました。介護離職前の半年間は、いや正確に言うと、一度転院しての7か月弱ということになるのですが、その間は、父は入院していたので、介護の負担はありませんでした。だから純粋に、僕自身の気力と体力の低下による、仕事能力の減退でした。

 やる気があるように見せてはいましたが、本心では、早く仕事を辞め、のんびりしたいという気持ちは強かったと思います。また、往復4時間の通勤時間も、苦痛に感じていたのもあります。

 介護で離職したのは事実ですが、その事実に乗っかって早期リタイアできたことを、どこかでほっとしている自分がいました。そうです。仕事を辞められて、ほっとしたのです。長い通勤時間から解放されて、ほっとしたのです。

 介護は、それなりに大変なこともありますが、24時間を、両親と自分のために使えることの喜びを、しみじみと味わっています。今日は、午前中、父が眠っている間に、図書館に行ってきました。帰宅後、ソファに寝そべって本を読んでいるときに、ゆったりとした時間の流れの中にいる自分を感じました。

 早期リタイア後の時間の流れは、会社員だったころとは、明らかに違います。