パートでの収入は、細々としたものです。

それも、53歳という、決して若くはない女性にとって、収入は細かろうが、おいそれとはやめられません。その彼女も、コツコツとためたお金を何とか増やそうとして、ビットコインに手を出したのでしょう。

今朝読んだ読売新聞で、53歳のパート従業員の女性が、若い男に殺された記事を読み、辛い気持ちになりました。

高齢になりつつある女性にとってのお金は、大変重いものです。

パート労働とビットコインは容易に結びつかず、意外な感じがしましたが、それだけ、老後への不安その他から、この女性は、お金を増やそうとしていたのかもしれません。

この女性の家族状況までの記載は、新聞には載っていませんでしたが、もし、おひとり様だったとしたら、老後への不安があったのかもしれません。53歳という年齢であれば、体力の衰えとともに、先々のことも考えざるを得ないでしょう。

詳細はわかりませんが、この53歳の女性を殺した男とは、彼女は投資事業のセミナーで知り合ったそうです。

新聞では、この自分の息子ほどの若い男に、ビットコインを奪われたと書いてありました。

ビットコインとは仮想通貨です。仮想通貨ですが、今、投資の対象になりつつあります。

この53歳のパート従業員の女性の無念と恐怖を想像して、背筋が寒くなると同時に、この女性を殺すに至った若い男の「ある種切羽詰まった金銭への欲望」にも、慄然としました。

「貧しい者が、貧しい者から奪い取る」、まるで、そんな図式を想像してしまったのです。

確かに、ある種のセミナーは、人の欲望の坩堝です。同じような欲を剥き出しにした、あるいは、奥に秘めながらメラメラと黒い炎を燃やしている人間が、集まっていたのかもしれません。