人には、死ぬ時があります。

それと同様に、住まいにも終わるときがあるのかもしれません。

よく、巷の議論で、持ち家か賃貸か、一戸建てかマンションか、などという話題があります。

僕は、一応、住宅ローンを払っているとは言え、一戸建てに住んでいます。そして、13年間、マンション暮らしをしていたこともあります。

つまり、どちらの生活も知っているので、それぞれに一長一短があることはわかっているつもりです。

僕はマンション暮らしに何ら不満はなかったのですが、父の介護が必要になり、別々に暮らすことができなくなって、さらには、マンションを売却せざるを得なくなって、成り行きで、一戸建てに住むようになったわけですが、住まりの終わり方という観点から言うと、僕は一戸建てのほうが良いように思います。

理由はいたってシンプルで、マンションは老朽化したときが厄介だからです。建て替えるにせよ、更地にして売却するにせよ、住民の合意が必要です。これがまとまらなければ、最悪、放置ということもあり得ます。

放置した場合、特に高層マンションの場合などは、近隣に対する影響は計り知れません。

その点、一戸建てはどうでしょうか。古家を放置していても、迷惑はたかが知れています。少なくともそこに住んでいる限りは、さしたる迷惑はかかりません。

金がなければ、古家に住み続ける自由もあります。

マンション暮らしは、住まいの終わり方も視野に入れる必要があります。自分が年を取ってから建て替えの話が出た場合、ほとんどの高齢者は反対に回るでしょう。

晩年になってから、つまらない揉め事に巻き込まれる可能性があるのは、マンションのほうでしょう。

これから不動産を購入する方は、その住まいの出口まで視野に入れる必要があるのではないでしょうか。