寝るときはよく、iPhoneのポッドキャストでVOAの放送を聴くのですが、過労自殺した電通の高橋まつりさんの名前を耳にしたので、英文を当たって見ました。

下の英文はその中からの抜粋ですが、24歳の女性従業員が長時間労働について家族に愚痴をこぼした後に自殺した、とあります。

そしてそのあとに、outrage という激しい言葉が出てきます。アウトレイジとは、「激しい怒り」のことです。北野たけしさんの映画に、アウトレイジビヨンドというのがありましたね。

それはそうと、「彼女の死に対する大衆の激しい怒りが電通のCEOを1月に辞職に追いやった」と続きます。

Cucekというのは人の名前で(テンプル大学の教授のようですが)、「電通で働いていた彼女の死は、仕事がいかにして多くの日本人労働者を孤立させているかの一例である」と言っています。

そのあとが強烈ですね。
「彼女は自分の家に住んでいたのではない。会社の寮にいたのだ。そしてそこには、話しかける相手は誰もいなかった。働け、働け、働けと、彼女に重圧をかけていた場所から逃げ出すことのできるいかなる手段もなかったのだ」

下記の例文を簡単に意訳してみましたが、「you must work」が、3回も出てくるのは強烈です。


The 24-year-old female employee committed suicide after complaining to family about the long hours she had to work

Public outrage over the woman’s death led to the resignation of Dentsu’s CEO last January.

Cucek says the woman who killed herself while working at Dentsu is an example of how work isolates many Japanese workers. 

She was living not at home, but in a corporate dormitory. So there was never anybody to talk to. Never any way of her breaking out of the environment where ‘you must work, you must work, you must work,’ was being pressed upon her.”

高橋まつりさんは、確か東大を出ていたかと思います。そこまでは勝ち組でも、そのあとが過労死では、たまったものではありません。

僕はそもそも、勝ち組とか負け組といった言葉が好きではありません。人は、簡単に比べられるものではないからです。

僕の場合は、過労死する前にトンズラするタイプですが、まじめな人は逃げずに頑張ってしまうのでしょう。「命より大切な仕事などない」のですから、つらいときには逃げましょう。

逃げることは、恥ではありません。